4月6日、野球の高校日本代表(18歳以下)1次候補による研修合宿で、岩手・大船渡の佐々木朗希投手(高校3年生)が登板し、球速163キロをマーク。現在、エンゼルス(米大リーグ)の大谷投手(24)が花巻東高(岩手)時代に記録した160キロの“高校最速記録”を塗り替えた。
TVワイドショーのスポーツコーナーやスポーツ情報番組では、1週間を経過する今なお取り上げて話題にしているが・・・やむをえないかな。なぜなら、野球に興味を持っている人なら分かるだろうけど、とても凄いこと!
あとは、このまま順調に育って、まずは国内のプロ野球選手になってから、米大リーグで活躍してもらいたいものだ。
個人的には、高校卒業後に目を向けて、肩をいたわりながらの体づくりをして欲しいところだが・・・そうはいくまい。
これまでにも、プロに入ったら肩や肘を傷め、短い期間で引退に追い込まれた球児は少なくない。また、高校野球における投手の投球数が多すぎるという声は、ずうっと以前からあり、高野連など関係者らが本腰を入れて議論することになったと、つい先日に報じられていた。
スポーツによる傷害は「スポーツ障害」と「スポーツ外傷」に大別される。
競技中に人とぶつかったり、ひねったりした場合など、1回の外力によって起こるケガで、骨折や捻挫や靱帯損傷などがスポーツ外傷。
対して、比較的弱い力が肩や肘や膝など、同一部位に繰り返し加えられることによって運動機能に障害をきたすもので、野球肘や疲労骨折やシンスプリントやジャンパー膝などがスポーツ傷害といわれる。
野球の投手の上肢にかかる負荷は尋常ではなく、ピッチャー交代などでベンチに下がった投手が肩に「大きく膨れ上がったモノ」を肩に掛けているのを目にした人もいるだろう。知らない人は「ケガしたの?」なんて思うかもしれないが、冷却しているのだ。それほど肩を酷使している。
投手は野手とはちがって、他の選手とぶつかることは少ない。ぶつかるとすれば、ピッチャー返しでボールに当たる事の方が確率は高いのではないだろか?。投手としての選手生命を脅かすほどのリスクがあり、子供の頃からメンテナンスに気を使うべきは、肩や肘などのスポーツ障害で、いわゆる「使いすぎ」である。
「野球肘(投球肘)」「インピンジメント症候群」「腱板損傷(腱板断裂)」などが代表的だ。
万が一そうなってしまった場合、プロ野球選手ともなると、まずは手術をするか否か、手術後のリハビリは・・・そして何よりも復帰できるのか? と、選手らは苦悩すると聞く。
スポーツをする人は子供だろうがプロだろうが、常に真剣勝負の人が多い。「体のことを考えて」「先の事を考えて」チラカを抜くなど、まして高校球児がやろうはずがない(試合運び上、適度に調整はするだろうが、そういう意味での「チカラを抜く」とは違う)。
とにかく、佐々木選手においては、まずは高校日本代表での活躍が楽しみ。そして、ドラフトが楽しみ・・・個人的には、大学進学はせずにプロ入りを願う。
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