鍼灸師やマッサージ師は医師ではないので、血液やレントゲンなどの検査を行うことはできません。それだけに、情報が治療方針を立てるうえで、医療面接(問診)による患者さんからの詳細な情報が大切になります。
腰痛によるQOL(生活の質→ここでは「日常生活に及ぼす影響度合い」といったところ)を推し量る方法のひとつに、患者さんへのクローズドクエスチョン(「はい・いいえ」などで答える質問形式)を用いる「RDQ(Roland-Morris disability questionnaire)」というものがあります。
質問数は24で、質問内容は決まっていて合計点で評価します。合計点は0点から24点の範囲で、高得点ほど腰痛による日常生活への影響が高いであろうと推察できます。
ちなみに「基準値」なるものについて、RDQに関する資料をいくつか調べたところによると、調査結果をもとに平均値を算出し、それを比較検討するという「対象調査上の基準値」ということになるようですが、明確には分かりませんでした。
ちなみに、少し古い情報になりますが、日本整形外科学会(https://www.joa.or.jp/)プロジェクト委員会が株式会社日本リサーチセンターに依頼したという、RDQを用いた調査「腰痛に関する全国調査 報告書 2003年 調査報告書」における「RDQの基準値」について、説明らしき記述があったので一部を抜粋して紹介します。
*以下、本文から一部抜粋。
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Roland-Morris Disability Questionnaire (RDQ)基準値
1) 全回答者の RDQ 平均値は、男性 1.54、女性 1.75、全体 1.65 であり、年齢とともに得点が上昇していた。
2) 腰痛有訴者の RDQ 平均値は、男性 3.67、女性 4.22、全体 3.97 であり、年齢とともに得点が上昇していた
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すなわち、この部分だけを解説すると・・・「RDQは24項目の質問により0~24点で評価するもので、点数が高いほど腰痛が日常生活に影響を及ぼしている可能性が高いことを示唆するものと考えられます。当調査における全回答者の平均値は1.65で、そのうち腰痛がある人の平均値は3.97でした。
この調査における「基準値」とは、『ここでの調査の平均値』という意味になるのです。
腰痛が生活にどの程度の影響を及ぼしているか、主観的かつ客観的に推察する術があるということだけでも知っていても損はしない
でしょう。
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*リライト:2020年3月9日