「うおの目、魚の目」と「たこ」。足底にできる厄介者。
いずれも皮膚が硬くなり、芯があるのが「うお(魚)の目」、無いのが「たこ」。形成される場所や機序は似ているが、魚の目は痛みを伴い、たこは痛みが無いことが多い。ただ、たこも放っておくと芯が出来て魚の目に発展することもある。
ここから先は私個人の経験談にすぎない。医学的根拠や科学的根拠は一切ないので、読み進めて下さる方はご承知いただきたい。
魚の目に悩まされるようになってから30年以上になる。左右の小指の付け根に出来るタイプで、位置的にも形状も左右ほぼ一緒。風呂に入った時に軽石でこすったり、痛みが強くなればカミソリで削るといった処置しかなかった。
整形外科と皮膚科で診てもらったこともあるが、「芯を取っても再発する」「日ごろからメンテナンスして、硬くなったら削るしかない」など、診断内容は同じ。根本治療はあきらめている。
ある日、ふとした気づきがあった。それは、魚の目の痛みを強く感じている時はお腹の調子が悪い。あるいは、お腹の調子が悪いときは魚の目の痛みが強いともいえる。
私にとっては、いずれかが他方のシグナルになっていたのだ。
それ以来、お腹の調子が悪いと言う人には「魚の目」があるか尋ねてみると、思いのほかいた。あるいは「無いよ」という人の足底を触れると、大きなたこを発見。そこを押して「これ痛くない?」と聞く間もなく「ギャッ!」と言って足を引っ込める人もいた。それはまさに、自覚がない・・・というか、痛まない歩き方をしているただけの、れっきとした「魚の目」だったこともある。
これまでに、鍼灸による魚の目の処置を調べ、試したりもした。概ね灸による治療を多く見聞きしたが、今一つ私に合うのが無くて諦めかけていた矢先に、ある方法に出会った。それは「火鍼」である。
それまでのカミソリで削るメンテナンス。リスクは深く削ると出血させてしまうことがある。芯が取れても数日は魚の目とは違う痛みが続く。医師に言わせると、そこから雑菌が入ってもっと厄介な症状を招くことがあるから、自分ではやらない方が良いと注意を受けたこともある。
灸による治療も試したし、鍼灸師にやってもらったこともある。いずれのも私には合わなかった。
私にとってはただ熱くて痛いだけで効果も感じられなかった。
さらに、鍼灸師によっては灸で焦げた部分とススで黒くなった部分を、ヤスリで削るのだが、芯が取り切れていなかったため、経験したことがない激痛を味わされたこともある。
重ねて言うが、これらはあくまでも私の経験に基づくもので、灸による治療が効果的という人もいる。
火鍼による治療は、そもそも魚の目とは関係ない別の治療法を学ぶ目的で参加した講習会で知ることになった。
「自分自身が魚の目に悩んでいるが、火鍼で治せるか?」と講師に質問したことがきっかけ。
上述した医師らの見解と同じく、「根本治療ではなく再発するが、とりあえず痛みは取れる」という事なので、さっそく指導を受けた。
ここで使用する鍼の形状は、火鍼を知っている鍼灸師ですら見たことがない人がいるであろう、特殊なもの。
この治療法のメリットは「治療中にほとんど痛みを伴わない(熱さだけは、角質の硬さや治療過程で感じることがある)」「短時間」「痛み軽減の持続性が高い」などがあげられる。ただ、これも私の印象で、個人差があるものだから絶対ではない。
実際の治療においても、お腹の調子が良くないという患者さんへの問診中に魚の目の存在が発覚。再治療時に火鍼で治療をしたら、痛みが激減したと喜んでいただいたケースがある。
お腹の調子が悪くなりやすい人は、魚の目やたこが出来ていないか、確認してみて?
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