「首・肩のコリや痛み」といっても、人によって指し示す部分が微妙に違うことがあります。
寝違え、運動(スポーツや肉体労働)、デスクワークで1日中パソコンと向き合っているなど、原因と考えられる動作や姿勢によって違和感を抱く部分はことなるものです。
特定の運動や姿勢などの心当たりがなく、徐々に悪化している場合や、痛みに加えてシビれを感じたり、肘から先にまで違和感を感じ始めるようになったら、ただの首の痛みや肩こりと決めつけず、医師に相談することをおススメします。
筋肉疲労や血行不良であれば、上肢のシビレ感や前腕(肘から先)や指の違和感を伴うことはまれなので、神経性の原因を疑うことがあります。
たとえば「頚椎症性神経根症(頸椎椎間板ヘルニアも含む神経根症)」「胸郭出口症候群」「頸肩腕症候群」などは、鍼灸治療で施術対象になることがある疾患のひとつで、神経根や神経走行上の絞扼などが原因のひとつと考えられています。
頸椎椎間板や椎骨周囲組織の変性(主に加齢)による神経根圧迫だったり、骨棘(あらたに形成される、余分な骨のでっぱり)周辺の炎症、神経根周辺の循環障害なども原因のひとつと考えられています。
頸椎椎間板ヘルニアは30~40歳代に多く、ヘルニア以外は40~50歳代に多く発症しやすいともいわれていますが、筆者の臨床経験では年齢差はあまり無いように思います。主症状には「頸部、首、肩、腕、手指に放散する痛みやシビレ」などがあげられます。
特に首を後ろに倒したり、左右のいずれかに倒すと頸部から肩甲骨の内側(肩甲間部)あるいは上肢に痛みやシビレが生じます。痛みの表現は人それぞれ(「ツーン」「ピリッ」「刺すような」など)です。
そんな時、首を無理に倒したりするのはNG行為です。まして、他人に確認させるような事(徒手検査でいうと、ジャクソンテストやスパーリング)は危険を伴うため、なおさらNGです。
治療方法には理学療法、運動、姿勢改善などがあります。鍼灸治療やマッサージも効果が期待できますが、いずれにしても医師のアドバイスを受けるのが賢明です。
症状や原因部位の状態が一定の水準に達しなければ、医師は「手術適用」の判断を下さないことがあります。しかし、手術をすれば100%痛みが必ず消失するとはかぎらないとも言われているので、手術のメリットとデメリットなど医師との相互理解が欠かせません。
痛み緩和の治療メニューに鍼灸治療やマッサージを組み入れてみてはいかがでしょうか。
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*リライト:2020年1月19日