「ぎっくり腰」におそわれた時、しばらくの間は立ち上がることすら出来ないなんて経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。 慢性的になってしまっていたら、日ごろからマッサージや運動などでメンテナンスすることが大切とはいえ、突然の襲来はどうしようもないと思っていませんか?
筆者の経験をもとに、応急処置で「とりあえず起き上がる」の効果が期待できるツボがあります。
その前に、筆者自身がはじめてぎっくり腰に見舞われた時についてですが、今から24年ぐらい前のスキーの練習中でした。
検定試験に向けて、不整地(コブ)の斜面を滑り終えた瞬間、突然腰から下の力が抜ける感覚に襲われ、その場に立っていられなくなって斜面に倒れこんでしまいました。
その時は何が起こったのかさっぱり分からず、立ち上がろうとした瞬間に、これまでに経験したことがない激痛が走りました。
ちょうど練習の最終日だったので、そのまま知人に助けられながら東京に帰宅し、整形外科の医師だった父に診察をしてもらい「ぎっくり腰」と診断されました。それ以降、年に一度は発症していました。
当初の数年は、再発の予兆や前駆症状が分からず、通勤電車で立っている時に咳き込んだ拍子に「グキッ!」となって、そのまましゃがみこんだこともありました。
欧米にはぎっくり腰のことを「魔女の一撃」と呼ぶ国もあるそうですが、まさにそのイメージ通りの衝撃です。
ここで紹介するツボは、ぎっくり腰におそわれた時だけでなく、慢性的になって予兆を感じた時などでも「とりあえず動ける」あるいは「危険回避」の効果が期待できます。
1つ目は「腰痛点(ようつうてん)」または「腰腿点(ようたいてん)」と呼ばれているツボです。
場所は手の背面の「人差し指と中指」「薬指と小指」の間で、各々の骨(中手骨)が手首側に向かって少しづつ近寄り、接しそうなところのちょっと手前にある陥凹部。専門書では「中手骨底間の陥凹部」などとも記される部分です。
両手の2カ所づつ、計4カ所になります。同時に刺激することは出来ないので片側づつ押すことになります。例えば左側を押す場合には、右手の人差し指と薬指で押す。
ポイントは「痛い!」と感じるぐらい、しっかりと押すことで、マッサージというようりも指圧になります。左右どちらでもいいですし、交互に両方やってもいいです。
2つ目は「魚腰(ぎょよう)」といって、左右の眉毛上の中央になります。小さなくぼみを感じたら、そこをグッと押します。やはりマッサージというよりも指圧で、ピリッとした刺激を感じるでしょう。痛みを感じるぐらいしっかりと押すのがポイントです。魚腰は、左右同時に押せます。筆者は親指を少し立て気味にして押します。
ちなみに、魚腰は目の疲れをとるのに効果的とされています。ツボ名の特徴として、身体の部位の名前がついている場合は、その部分に効果があると考えられていることから、筆者が実際に試してみて効果を得たので紹介しました。
筆者に限っていえば、予兆を感じたり、「グキッ!」ときた瞬間に腰痛点(左右3分ぐらいづつ)と魚腰(やはり3分ぐらい)を押して、予兆や痛みのピークがすうっと引いた経験を何度もしているとはいえ、その効果には個人差があります。
他にも腰に効くツボはありますが、紹介した2つのツボは自分で無理なく手が届く部位にあるということがポイントです。ぎっくり腰を経験した事がある人ならば分かると思いますが、ぎっくり腰の瞬間に動かせる部位は腕ぐらいですから。
上述したように、最も大切なのは「ならないようにする」ための、日ごろのメンテナンスです。体操などに加えて、マッサージや鍼をメニューに加えるのもおすすめです。
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*リライト:2020年3月23日