荻窪周辺でも美容鍼・美顔鍼を施術メニューに加える鍼灸治療院が増えました。
美容鍼・美顔鍼を英語表記にすると「cosmetic acupuncture」または「beauty acupuncture」となりますが、日本では表記が統一されているわけではありません(以下、本文中では「美容鍼」「美顔鍼」と表記)。
美容鍼・美顔鍼の術式や理論はさまざまで、鍼師のための講習会も数多く開催されるようになりました。
3~4年前ぐらいまで、講習会は「高額」「実技講習は有資格者のみ」「プライベートレッスン」など、誰もが気軽に受講できるとは言えませんでした。
しかし現在は、鍼灸学校でも特別授業が設けられたり、学生でも参加できる講習会が増えたため、習いたての現役鍼師よりも、免許したての鍼灸師の方が施術経験だけは多く積んでいるのが珍しくないのも現状かもしれません。
鍼灸の施術を受ける人は「患者さん」と呼ばれますが、美容鍼・美顔鍼の場合には「お客さま」と呼ぶ鍼灸院もあります。個人的にはどちらでも良いと考えていますが、呼称を統一している店舗もあります。
術式、施術理論、接遇のいずれも、患者さんまたはお客さまが施術後に「良かった、また受けに来よう」と実感してもらえることが大切だと考えます。
そして、そういった評価の声が広がることで業界がさらに活性化し、施術者が技術向上にはげみ、よりよい施術を提供すれば利用者と施術者との間にwin-winのスパイラルが築かれるのではないでしょうか。
「患者さん」「お客さま」の呼称はどうであれ、人体に鍼を刺す行為は”医療類似行為”のひとつであることに変わりはありません。だから、施術者はメリットやデメリットの正しい情報を利用者に伝える「インフォームドコンセント」が必須です(最近は同意書の署名が認知されてきていますが、未だに同意書を交わしていない治療院もあるようです)。
美容鍼・美顔鍼の施術効果を鏡や写真撮影をして確認してもらう「施術前後の比較」「ビフォーアフター」はよくありますが、ここにはいくつかの注意点があります。ここでは特筆する2つを紹介します。
1.起き上がった姿勢で確認 → 仰向けに寝た状態では、重力により皮膚がのびて、あたかもシワが薄れたように見えるため、正しく評価できません。
2.写真撮影の比較は難しい → 日本を代表する大手化粧品メーカーの研究員が美容鍼・美容鍼の講習会で基調講演をして下さった時の話しです。「多くの化粧品メーカーは研究開発で写真撮影をして効果を確認します。それだけのために専用の環境と装置を用いて、顔の位置を3次元でミリ単位で調整をし、光の照度や角度を計測しないとシワの状態を正しく検証することはできません」とのことです。
ですから、美容鍼・美顔鍼の施術を受ける際に写真比較をする場合には、できるだけ環境を同じにしなくては、正しく評価できない事を知っていて欲しいものです。
美容鍼・美顔鍼、患者さんにお客さま、呼称はどうでもいいので一人でも多くの人に、QOLの一つに取り入れて欲しいと願っています。
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*リライト:2020年2月1日