マッサージ師、鍼師、きゅう師は、レントゲンなどの画像検査が出来ず、問診や徒手検査だけで治療方針を立てる必要があるため、腰痛のメカニズムをある程度理解しておく必要があります。
前屈や後屈だけで痛みの原因を推察できるかというと、なかなかそうはいきません。特に急性の場合、どのような動作でも痛みを訴えるケースほとんどです(ただし、前・後屈の具合は主観的・客観的に治療前後の効果測定や経過観察には役立ちます)。
実際、現代医療においても原因不明の非特異的腰痛は非常に多いとされています。
マッサージ師や鍼灸師は”レッドフラッグ”にも注意を払っていることは意外に知られていません。
腰痛におけるレッドフラッグとは、腰の動きに作用する関節や筋肉ではなく、おもに内臓の不調が原因になっていると疑われる症状で、自発痛(あるいは安静時痛)の有無が推察材料の一つになります。
自発痛とは、体を動かさずに、楽な姿勢をとっても痛みを感じる状態のことです。
自発痛がある場合、背中や腰の特定の場所を叩いたり、押したりすると特有の痛みを確認することもあります。
自発痛があり、なおかつ時間の経過とともに痛みが増すという場合、筆者はレッドフラッグと判断して、医師に相談するように伝えます。
マッサージ師、鍼師、灸師は施術するだけではなく、医学を学んだ者だからこそ”危険信号”を推察しうることがあり、その場合には医師(現代医療)の診察を促すことも仕事のひとつと考えています。
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*リライト:2020年1月31日