不眠は東洋医学的には寝つきが悪い「入眠障害」、夜中に目を覚ましてしまう「中途覚醒」、朝早く目覚めてしまう「早朝覚醒」、目覚めた時に寝不足感が残る「熟睡困難」などに分けられる。
原因には、不安や思考や憂鬱などの情緒が乱れて体内に熱が生じる情志失調、甘いものや辛いものなど飲食物摂取による痰湿と熱が生じる食事不適、高齢や過労や慢性疾患が原因の気血陰陽が不足する体虚疲労などがある。
五臓の病で考えると肝、腎、脾、心に原因があることが多い。
不眠に効果的とされるツボも数多い。代表的なものに百会(ひゃくえ)、安眠(あんみん)、四神聡(ししんそう)、神門(しんもん)、内関(ないかん)、失眠(しつみん)などがある。
その中でも筆者がおすすめするのは百会(ひゃくえ)である。
「ツボの紹介・・・」を見出しにするブログで毎回書いていることだが、筆者がおすすめにする根拠は自分で無理なく押せるツボで、筆者自身が効果を実感したものである。
百会の場所は、額の中央で前髪の生え際と後頭部中央の後髪の生え際を結んだ線上中央よりも、約2センチ弱後ろ側。頭のてっぺんのやや後ろあたりだ。
百会は、頭部の様々な疾患の治療に用いられるツボでもあり、頭痛や脳疾患の後遺症や精神疾患や認知症などにも効果的とされている。
指で押してもいいし、ベッドの上で仰向けの状態で、頭側の壁やベッドボードに押し付けると手でおさえる煩わしさも必要ない。
東洋医学的には不眠の原因に「内熱」があることからも、体が火照っていたり、掛け布団をかけすぎないようにすることをおすすめする。
そして血が不足すると津液の生成にも影響し、熱を下げる作用も劣ってしまう。すなわち、飲食物による栄養摂取は絶対に不可欠だ。
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