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モートン病・・・男性もご用心!

 足の第3,4趾間、足底水かきの裏側あたりがしびれたり、歩行時に痛む疾患にモートン病というものがあります。

 

 痛む場所が、第2,3趾または第4,5趾間に生じる場合もあります。

 

 足底の親指側を踵方向から指先に向かう内側足底神経と小指側の外側足底神経の吻合部あたりが、靭帯と地面の間で圧迫されることで生じます。その状態が長期におよぶと神経が変形肥厚し、偽性神経腫を形成することもあります。

 

 神経腫は女性に多いとされており、その理由として考えられるのがハイヒールなどの指先が細い靴の着用や、硬い床を踏んだり、中腰姿勢やかかとを上げる時間が長い動作などとされています。そのため、硬い床の上で足底に負荷がかかる舞踊やダンスをする人もなりやすいといわれています。

 

 神経腫形成のはっきりとした原因は未だに不明な点もあるとのことです。

 

 女性が特に多いものの、男性には無関係というわけではありません。ハイヒールは概ね関係ないでしょうが、偏平足の人はなりやすいという報告もあります。重い荷物を持ち運びするのに中腰姿勢をとったり、つま先立ちをする機会が多い人も用心しなければなりません。すなわち、男性に生じても不思議ではないのです。

 

 レントゲン検査だけでは確定診断が出しづらく、医療機関の場合には「原因不明」と診断されることもあるそうです。

 

 モートン病と診断された場合、一般的には靴底のソールを自分に合うものを選ぶことと、土踏まずの部分でしっかりとアーチをつくれるようにする必要があります。

 

 また、安静にしながらも足底の筋肉を使う適度な運動も必要とされています。いずれにしても、まだ神経腫が形成されていないうちに、しっかりとメンテナンスをすることが大事です。痛みがひどいと下腿(特にふくらはぎ側)にもシビレや痛みを生じことがあります。重度になると手術が必要になる場合もあるといわれています。

 

 当院において主眼に置く治療方針は「痛みの緩和」です。そのためには、神経走行を考慮したうえで痛覚閾値を高めることを検討します。痛み方によって、ふくらはぎのマッサージをして冷却または超音波による温熱治療を先に行います。鍼を使用する場合には低周波鍼通電を行います。

 

 痛む局所に鍼をするのは当院としては率先して行いません。

 

 なぜなら、刺鍼のするどい痛みの感覚を好む人はあまりいないからです。そこまで痛みを耐えることで、劇的な改善が得られるのでしたらまだしも、モートン病は運動も含めた持続的な保存的療法(メンテナンス)が必要なだけに、一時的な辛さを患者さんに与えるのは如何なものかと考えています。

 

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