美容鍼の期待できる効果として、ニキビの改善について質問を受ける事があります。
皮膚は人体最大の臓器で付属器には汗腺、脂腺、毛髪、爪などがあります。ニキビは皮膚の付属器である脂腺の疾患で尋常性ざ瘡(ざそう)といいます。
ざ瘡とは、毛孔(”毛あな”のこと)部に炎症性の症状が生じることをいいます。
原因は遺伝性、生活習慣、ストレスなどに加え、ホルモンバランス、皮脂、角化異常、細菌感染、化粧品といったさまざまな発症因子が複雑に関わります。
まずは結論から申しますと、エビデンス(医学または科学的根拠)の観点で筆者が調べた限りでは、美容鍼によるニキビ治療の”直接的効果”を見つけることは出来ませんでした。
しかし、あくまでも筆者の臨床経験にすぎませんが、「症状が悪化せずに沈静化した」といった改善の方向に進んだという声をいただくことは多いです。
筆者もその根拠(裏付け)になりそうな文献などを探し続けていますが、残念ながら今なお不明です。
ありきたりかもしれませんが、細胞の活性化や血液など循環系の促進がはかられるためではないかと推察しています。
美容鍼の施術時に注意が必要なのは、毛包虫性や毛漏斗部の常在菌であるアクネ桿菌による炎症であると医師から診断されていたり、ニキビが黄色を呈しているような状態であれば、その部分を傷つけないようにすべきで、鍼で破くかないようにします。
もしもニキビが顔の広範囲におよぶ状態であれば、まずは皮膚科の先生に美容鍼をしても良いか確認すべきです。なぜなら、自分で”ニキビ”と決めつけているだけで、他の皮膚疾患の可能性も否定できないからです。
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*リライト:2020年2月22日/2022年5月3日/2023年3月10日