テレビのワイドショーや健康バラエティ番組で、コレステロールや中性脂肪がテーマに取り上げられる機会を良く見ます。
どのような切り口にしても、内容は概ね変わらないにもかかわらず、今一つ違いが分かりにくいのも事実ではないでしょうか。
筆者が患者さんから受ける質問でも血圧や血糖値と並んで多いのがコレステロールと中性脂肪についてです。
ここではシンプルに簡略化して記述します。
まずは、コレステロールも中性脂肪も血液中の脂肪分であることを理解しましょう。
<コレステロール>
・細胞膜やホルモンの材料
・肝臓から細胞に送り出されるLDL、細胞から肝臓に送られるのがHDL。
・”悪玉”と呼ばれるのはLDL、”善玉”と呼ばれるのがHDL。
<中性脂肪>
・エネルギー源
・エネルギー源として使い切らないと血液中(中性脂肪)、肝臓(脂肪肝)、体の組織・細胞(体脂肪)として蓄積。
・増えすぎると糖尿病の原因になるとも言われる。なお、糖質も肝臓や筋肉に蓄えられる。
血液中のコレステロールは食事から直接摂取される分と身体の中で作られる割合が約2:8とも言われています。肥満や多量飲酒や高血糖の人ほど、コレステロールや中性脂肪が体内で多く生成されます。
ちなみに、脂質異常症とはコレステロールと中性脂肪がともに高い場合をいいます。
糖分の摂取は中性脂肪値を高める直接的な原因になるという認識が強かったですが、最近の研究の中には「糖分だけではそれほど上昇せず、糖分と脂質の組合せによる影響が大きい」ともされています。
ここから考えると、牛丼や菓子パンなどは中性脂肪を高める要素が強いといえます。
コレステロール、中性脂肪とくれば血糖値!?。この3つはあたかも一括りにされがちです。
血糖値は、血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度なので脂肪分ではありません。ちなみに血糖値を下げるためにはインスリンが必要で、上げるためにはアドレナリン、グルカゴン、コルチゾール、成長ホルモンといったホルモンの働きが必要です。血糖値を上げる物質はいくつかあるのですが、下げるのはインスリンしかないということが大事なポイントになります。
血糖値については、また別の機会にいたします。
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