鍼灸師が探るツボの位置は、一応国際的に定められています。あえて”一応”としたのは、解剖学的な観点からレントゲンなどの画像検査を行っても具体的の確認することができないためです。
「〇〇からxx寸」など、基準にする骨や関節がありますが、おおむね目安程度にとらえる施術者が多い印象です。骨格や体型は個人差がある基準通りの場所で反応を得られないことはめずらしくありません。
また、ツボの範囲は直径数ミリのきわめて狭い範囲という人もいれば、5円硬貨ぐらいの大きさがあるという人もいます。
しかし、概ねほとんどの施術者が共通して言うのは、施術者が押した時に痛みを感じたり、しこりのような「硬結(こうけつ)」が蝕知される部分です。硬結は押された本人だけが自覚する場合と本人は自覚せずとも施術者側が感じる場合、双方で感じる場合などがあります。
いずれを尊重するかについては、施術者の考え方や経験によって異なります。
これらは”圧痛点”とか”反応点”などとも呼ばれます。
圧痛点は、組織が損傷されたり持続的な筋緊張によって、筋膜に存在する感覚を受容するポリモーダル受容器というものが反応しやすくなっている状態という考え方が有力とされています。
すなわち、通常では痛みとして感じない程度の圧力でも脳に痛みとして伝わり、交感神経や運動神経を刺激する。それによって、筋緊張や血管収縮といった反応が生じることで、血流不足や痛みを誘発する物質が蓄積されるといった悪循環を招くと考えられています。
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