頭痛は大きく分けて3つのタイプ(片頭痛、群発頭痛、緊張型頭痛)に分かれることは以前にもブログに書きました。さらに、「レッドフラッグ」などとも呼ばれる、特に危険な頭痛の症状(くも膜下出血、髄膜炎、脳出血、硬膜下出血など)についても記述しました。
鍼灸治療やマッサージ治療の適用になるのは「危険な頭痛」以外になりますが、痛みの感じ方は個人差が大きいため、群発頭痛を疑う場合の症状では問診をより慎重に行わなければなりません。
頭痛の症状として「目の奥が痛い」は多いです。痛み方の特徴としては群発頭痛のようにも思えるのですが、いわゆる「エグルような痛み」という例えが当てはまるか否かは疑問です。ただ、涙や充血といった目の症状を伴うかどうかは判断材料のひとつにはなります。
さて、筆者の臨床経験による「目に何かしらの違和感を伴う頭痛」の場合の治療方針ですが、歯の噛み合わせを疑うことがあります。顎関節の運動方向には閉口(挙上)・前方・後方・左右・開口(下方)があります。
閉口では側頭筋、咬筋、内側翼突筋。前方は外側翼突筋、後方は側頭筋、左右では内・外側翼突筋、側頭筋。開口では顎二腹筋、茎突舌骨筋、顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋などが主動筋としてはたらきます。
これらの筋肉を支配する神経には三叉神経と顔面神経があります。いずれも感覚神経であり運動神経(三叉神経は下顎神経のみ)でもあります。
すなわち、目に症状が現れているから群発頭痛の部類あるいは眼精疲労から生じる頭痛と思いきや、神経走行から考えると、咀嚼運動にかかわる部位に原因を求めてもおかしくないのではないかというのが筆者の考えの起点になりました。
自分自身でも試してみたところ、期待通りの効果が表れたので、さらに研究と臨床を重ねていきます。
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