朝、目を覚ましたら首が痛くて動かないといった、いわゆる「寝違え」は辛い症状です。
ひどい痛みが3~4日ほども続くことがあると、生活にまで支障をきたします。
原因として枕が合わないとか寝姿勢が原因ともいわれます。それほどまでに首を痛める不自然な姿勢とはどのようなものか分かりませんが、血行不良や筋肉の痙攣、頸椎の関節包の炎症などが原因と考えられています。
筋肉の疲労や血行不良、関節包の炎症が原因と考えられる場合、前日に重い荷物を持つなど、後頸部(首の後ろ)の筋肉に負荷がかかる動作や上肢の使い過ぎが原因と推察されます。また、同じ姿勢の維持が原因の場合が多いと考えられます。
すなわち、発生のメカニズムとしては腰痛やこむらがえりなどに似ているのではないかと、筆者は推察します。
ただ、痛みがあまりにも強い状態が続いたり、腕や足にシビレや痛みなどを伴う場合には、他の疾患や原因の可能性もあるため、早めに医師に相談した方がよいでしょう。
寝違えの時、痛みを強く感じる方向へ首を動かすのはよくありません。また、炎症の可能性もありうるため、自分の判断だけで温めたりすることも避けた方が良いでしょう。
ストレッチが効果的な場合もありますが、痛みを我慢するほどやってはいけません。
首だけに痛みの意識が向けられがちですが、首から背中の方へつながる筋肉(肩甲挙筋、僧帽筋、頭板状筋、頸板状筋など)や胸鎖乳突筋が原因になっている場合も、血行不良が頸部に影響を及ぼすことがあります。
当院における鍼治療でも、まずは肩や背中を触診することが多いです。痛む場所を施術対象にする場合もありますが、炎症が強そうであればあえて手や足にあるツボを先に施術するようにしています。
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