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美容鍼に見る、ツボの不思議

 美容鍼は施術者が基礎とする理論や学問によって、鍼をする部位や鍼の本数、鍼の刺入深度や鍼の太さなどが異なるものです。

 

 鍼を刺す部位は、東洋医学系であれば経穴と呼ばれる「ツボ」を基準に考え、西洋医学系では皮下組織や神経走行を基準に考える傾向にあります。それにしても不思議なことに、共通している部位が多かったりします。

 

 顔面部を支配する神経は概ね顔面神経と三叉神経になります。いずれも枝を分けて顔面部にはりめぐらされています。

 

 たとえば、東洋医学的に多く用いられるツボと三叉神経の走行をみると、特に太い枝を狙っているかのように合致します。

 

 むろん、神経は顔面をくまなく分枝しているので「どこかにはあたるのは当然」という見方もできますが、それにしても特に太い枝の走行上に存在するというのは興味深いものです。

 

 顔面以外のツボや経脈についても、現代医学の観点で治療効果の「科学的根拠」が明らかではないものの、解剖学や生理学の観点から、刺激による反射が生じても不思議ではないという部位がいくつか存在することが知られています。

 

 かつては東洋医学を否定的にみる医師が多かったのですが、最近では積極的に学んで自身の治療に取り入れる人も増えてきているなんて話しを人づてに聞きます。

 

 事実、薬に関してはすでに漢方薬の一部は「市民権」を得ていて、保険適用の処方薬もいくつかあります。また、特定の疾患で、なおかつ医師の同意があれば鍼治療も保険が認められています。これはまさに、東洋医学が医療として認めらている証ではないでしょうか。

 

 このように、時代とともに常識や認識も変わるもので、美容鍼による施術効果が科学的に立証されることが増えれば、今以上に広く認められる時が訪れると考えています。

 

 健康も美容も継続させることが大切なので、美容鍼が肌メンテナンスのひとつとして、当たり前のように取り入れられる日が訪れることを筆者は期待しています。

 

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*リライト:2020年3月6日