背骨は正面から見ると真っすぐですが、横から見ると頸部は前、胸部は後ろ、腰部は前にゆるいカーブを描いています。
ところが、正面から見た時に真っすぐではなく、左右のどちらかあるいは部分的に左右に曲がっている状態を側弯といいます。
側弯する原因には先天的なものなども含めていくつかありますが、側弯症と診断される人の約7~8割は特発性と呼ばれる原因不明のものが多いと考えられています。
背骨が側弯するとどのような症状に現れるかというと、左右の肩甲骨や骨盤の高さが不均等になるといった外見的なものから、腰背部のコリや痛み。病院で専門的な治療が必要なレベルの高度な側弯では神経障害や呼吸障害に発展する恐れも考えられます。
医師による治療は背骨の曲がり方の度合い(コブ角)によって方法が異なってきますが、一時的と考えられる比較的軽度の側弯と診断されると体操、筋力強化、姿勢などである程度は進行をおさえることが可能と考えられています。
なお、鍼灸治療院や接骨院などで「側弯が治る」といった案内をしているところもありますが、あくまでも医学的根拠にもとづく治療法は装具の装着や手術と言われています。
とはいえ、そういった治療院がウソをついているかというと、必ずしもそうではありません。なぜなら、後天的な側弯の多くは「特発性=原因不明=治療法が確立されていない」なので、特発性の一時的なものであれば体操、筋力強化、姿勢といった患者さんの努力の結果、側弯が治るということもありうるのです。
もしも、街のリラクゼーション施設の施術者や家族などから「背骨が曲がっているね」なんて言われることがあったら、まずは医師に相談をして現状をしっかりと把握したうえで、鍼灸やマッサージによる治療でサポートできることもあることを知っておいていただきたいです。
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