声を意識してみませんか?

 声が出る仕組みについてなんて考えたこともないという人がほとんどでしょう。

 

 カゼをひいたり、カラオケで歌いすぎたりして声が出づらくなった時ぐらいしか、ありがたみを感じることはないでしょう。

 

 声は声帯という部分が閉じたところに呼気(息を吐く)が流れ、声帯をふるわせることで生じます。ですから、吸気(息を吸う)時には声帯は開いているため、声が出しにくいのです。

 

 声帯は書いて字のごとく、声にかかわる部分でありますが、生きていくうえでもっと重要な役割を担っています。それは、食べ物が肺に入らないように気道を閉鎖したり姿勢保持の役割りです。

 

 声帯は複数の筋肉(甲状披裂、外側輪状披裂、披裂、後輪状披裂、輪状甲状など)の作用によって開閉します。その中でも特に閉じる作用で大切なのは甲状披裂、外側輪状披裂、披裂の3つと考えられています。

 

 声帯の役割が発声と気道の閉鎖はイメージがつきやすいですが、姿勢保持というのはピンとこないという人も少なくないでしょう。簡単にいいますと「声帯を閉じる=息を吐く=声が出る=肺から空気が漏れない状態になっている=胸郭が安定する」ということだそうです。

 

 すなわち、特に瞬間的に力を入れる場合には声帯の役割が大切だそうです。たとえば、プロのテニスプレーヤーを見ても、インパクトの瞬間に声を出しています。それは、理にかなっているというわけだそうです。

 

 これらのメカニズムについてわかりやすく書かれているおすすめの本があります。「声筋を鍛えなさい(渡邊雄介著・晶文社発行)」には、上述の筋肉群の働きや自分でできる声のチェック方法やトレーニング方法も書かれています。渡邊先生は医師であり、一般の人から声を職業にする方々まで幅広い治療経験を積まれている、この分野では著名な方のようです。

 

 発声が健康管理につながるというのは以前から知られていますが、そのメカニズムや効果的なトレーニング方法を知ると知らないでは全く違うものです。

 

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