どこかにぶつけたり、重労働をしたわけでもない。いわゆる、思い当たることがない痛みやしびれをあなどらないほうがいいです。
テレビの健康番組や医療系ドラマでも取りあげられることが多々ありますが、原因が別の部位にあったり、他の部位や組織が補うことでそこに新たな違和感が生じることもあります。
特に気をつけたいのは前者の「他の部位に原因」です。内臓系の異変によって、肩や腰に痛みやコリの症状があらわれる関連痛はよく知られています。
そのメカニズムは脳における「混線」などと表現されることがあるもので、たとえば内臓に生じた違和感を脳に伝える神経の通り道と、肩こりなどの違和感を伝達する経路が同じで、脳は内臓から伝わってきた情報を肩の異変として感知してしまうと考えられています。
痛みが生じると他の部位や組織が補うとはどういうことかというと、生体はバランスを保つために、前後・左右・上下で筋肉や関節などが調整をしています。
痛みが生じて間もない頃は、生体にそなわった反射作用や意識的な代償動作などで違和感からの逃避や軽減を促す動きをしますが、根本的な処置を施さないままでいると癖がついてしまい、本来あるべき理想的な荷重バランスや筋肉や関節などの動きを崩してしまうことがあると考えられているようです。
筆者自身の経験からも思い当たることがあります。
違和感は何かしらのシグナルであり、意味なく生じている感覚ではありません。
筆者が患者さんから、医師や鍼灸師、マッサージ師などの異業関係者に相談するタイミングについて助言を求められた場合、違和感が1週間経過しても変わらないか、むしろ悪化している場合と伝えています。特に悪化がひどいようであれば、1週間も待たず早めに医師に相談することが肝要です。
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