原因が思い当たらない下肢の痛みや不快感。特に太ももに生じるいわゆる下肢の神経痛は、腰痛や臀部の不快感とともに生じることが多いです。
下肢の神経痛を疑った場合、原因が神経根にあるのか神経走行上なのかによって治療方法は変わってきます。ちなみに、筆者らが問診の際に真っ先に質問するのは、「いつから」「痛み方(不快感)」「痛む時間帯や動作」です。
大腿部を走行する主な神経には大腿神経、坐骨神経、外側大腿皮神経、閉鎖神経などがあります。
痛みや違和感が大腿前面の場合には大腿神経を疑います。代表的な検査方法には大腿神経伸展テストといって、うつ伏せの姿勢で下肢を股関節で伸展させて痛みやシビレが生じるか確認します。
後面の場合には坐骨神経を疑います。チェック方法はいくつかあります。その中でも着眼点は腰部に違和感が生じる場合と生じない場合があるのですが、参考書通りとは限らないケースが多いのも特徴的と筆者は考えています。
ちなみに前面外側・外側・後面外側にかけての違和感は外側大腿皮神経を疑います。前面内側・内側・後面内側にかけては閉鎖神経を疑います。
これらの神経が原因と考えられる違和感の多くは、整形外科でレントゲンなどの画像検査では異常を確認出来ない場合があります。
さらに不快感の部位が、「(皮膚表面よりも)奥の方」「表現しようがない」となると、治療方針を立てるのも難しくなります。
神経痛は寒さが厳しくなると生じやすくなるのも特徴のひとつです。自分でできる対策には「温め」「運動」がありますが、それだけでは緩解できない時には、鍼灸治療やマッサージを受けることをおすすめします。
セルフケアは大切ですが、自分で出来ることには限界があるものです。無理な姿勢や運動が、別の症状を誘発することもあるので注意が必要です。
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*リライト:2020年10月15日