炎症を起こしているか否か、客観的な鑑別には「発赤・熱感・腫脹」があります。
膝関節周辺の痛みは老若男女問わず、特に子供は成長期やスポーツで、成人になると体重、加齢による変性などさまざまです。また、外傷や炎症はないものの、膝関節内・外側を押すと痛みを感じるなんてこともあります。
変形性膝関節症は高齢者に多くみられます。滑膜に炎症を生じることで熱感をともなうこともありますが、発赤は確認出来ない場合もあります。
腫脹(腫れ)の場合には、どこが腫れているかがポイントになります。前面部がポッコりと膨れている場合には前膝蓋骨滑液包や前脛骨滑液包の障害が推察されます。
膝関節の内側の場合には鵞足滑液包の障害が推察されます。鵞足とは半腱様筋、縫工筋、薄筋の3つの筋肉が脛骨に付着する部分のことです。鵞鳥(がちょう)の「鵞」という文字が使われている名前の由来は、ここでは端折ります。
次に、膝の裏側に生じる腫れをともなう違和感です。「何となく腫れぼったい」ですとか、「奥の方に違和感」程度ならまだしも、明らかに腫れている場合にはベーカー嚢腫を疑います。
そのほか、外側面にあらわれる腫れに半月板嚢腫、膝蓋骨のやや下方やや外側ではオスグッドシュラッダーで腫れを確認できることもあります。
いわゆる「膝に水が溜まった」というのも何かしらの炎症が由来している場合があります。たとえば、変形性膝関節症における関節水腫もそのひとつと考えられることがあるそうです。
関節水腫の場合は、膝の下部や側面のくぼみが消失しているか否かが判断の目安と考えられていて、膝蓋骨上部での浸出液が貯留していることもあります。
いずれにしても、全体的に腫れていて膝蓋跳動という検査が陰性であれば、水腫の疑いは薄れます。
膝の腫れは鍼やマッサージ治療が不適応の疾患もあります。違和感がひどくなる前に、まずは整形外科などの医師に相談することをおすすめします。
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