「背骨」なんて呼ばれることがある脊柱ですが、どのようなものか簡単に紹介します。
頭蓋骨と仙骨の間に、積み木のように連なる様はまさに「柱」のように見えますが、それが脊柱の語源になっているか否かはさておき、全部で24のパーツが連結して部分(範囲)的に脊椎、胸椎、腰椎と呼ばれています。
椎間板は24のパーツ(ここでは椎体と呼びます)の間に挟まれていて、クッションの役割をしています。椎間板は髄核と呼ばれる部分とそれを取り巻く線維輪からできています。
髄核は約80%が水分なので、年齢を重ねると水分を失って硬くなると考えられています。朝の寝起きに脊柱部が痛む人は、椎間板のむくみが原因ではないかとも考えられています。また、年齢を重ねると椎間板はコラーゲンが多くエラスチンが少なくなるため、繊維質の増加によって弾力性が低下すると考えられています。
髄核が飛び出して神経を圧迫することにより痛みやシビレなどの症状を引き起こすのには椎間板ヘルニアがよく知られています。
椎間板を支配する神経は傍脊椎交感神経と脊椎洞神経ですが、髄核や椎体(椎体と椎間板の間に存在)には神経がないため、動作による刺激や障害で痛みを感じることはないとされています。
脊柱には多くの靭帯と筋肉が付着しています。いわば、関節が連なっている構造ともいえます。
髄核内圧は姿勢によって大きく変わります。立位(静止)状態を仮に100とした場合、前屈位で約150、座位では約140、座位で前屈すると約180という報告もあります。また、くしゃみでも瞬間的に圧がかかるともいわれています。
腰痛といっても原因はさまざまで、むしろ特定できないケースが多い事はこれまでに幾度もブログで紹介してきましたが、椎間板ヘルニア以外で脊柱に原因があると考えられるものには脊柱管狭窄症、スプラング・バック、椎間関節性腰痛、腰椎(分離)すべり症、などが代表的ではないでしょうか。
運動をしていなくても脊柱には常に負荷がかかっています。そして、まさに人体の柱になっているので、ちょっとした不具合でも動作に影響を及ぼしてしまうものです。
脊柱は鍼治療において有効な施術部位と考えられていますが、脊柱への刺鍼に慣れていない鍼師が少なくありません。
当院では、脊柱および脊柱近傍への刺鍼を行っています。特に鎮痛作用の効果が期待できます。
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