「痛みはないけど、だるい感じ」といった症状を経験したことがある人もいるのではないでしょうか。
痛みは急性と慢性に大別でき、一般的に急性の痛みには「警告信号」の役目があるといわれています。だるさや倦怠感も同じではないかと筆者は考えています。
カゼや発熱などで、後になって振り返ると「そういえば、2日ぐらい前から身体がだるかった」なんて経験もあるではないでしょうか。また、高血圧や心不全などで利尿促進の薬を服用すると、カリウムやナトリウムが失われてだるさの症状がでやすいとも考えられています。
だるさや倦怠感は不定愁訴の一つと考えられます。自律神経の乱れも原因のひとつにあるのではないかと筆者は推察しています。
自律神経の乱れと聞くとストレスや職場や人間関係といった社会心理的要因をイメージされやすいですが、それだけではありません。天候や気温といった気候変動ですら人体に影響を及ぼすことがあります。
鍼灸やマッサージは自律神経調整にも効果が期待できる治療法と考えられていますが、患者さんの体質や生活習慣なども考慮に入れて治療方針を立てないと、期待する効果を得られないことがよくあります。
具体的には、リラックスさせすぎてしまい、だるさ感が増してしまうこともあります。施術前後で感じるだるさを生じさせる機序に違いがあるとはいえ、意識にのぼるレベルで症状を増幅させてしまったのでは、治療としては残念な結果ではないでしょうか。
とはいえ、解剖学や生理学を基礎にする現代医療と東洋医学を基礎にする伝統医療の両面から施術方針を立てることができることに鍼灸治療には、薬とはちがって副作用が生じにくいことにひとつの有益性があります。
気温変化が激しい時期など、だるさを感じたら鍼灸治療やマッサージを試してみてはどうでしょうか。
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※リライト:2021年5月4日