整形外科などの病院で診察を受けても原因や疾患名が特定されない膝関節の痛みを訴える患者さんには、痛む部位が特定しづらかったり流動的と表現する人がいます。
膝関節の構造と作用には半月板、靭帯、筋肉、関節包、腱、人体最大の種子骨の膝蓋骨などが複雑にかかわっているのも、不具合の生じ方や症状が特定しづらい理由のひとつではないかと筆者は考えます。
とはいえ、各々の組織には主とする作用があるため、兆候などで推察できます。
<膝蓋骨、大腿部に原因があると推察する兆候>前部痛、水腫、異音(軋轢)、階段昇降時不安、不安定性
<関節水腫の推察>歩行時痛、前部の炎症(発赤、熱感、腫脹、疼痛)
<靭帯に原因があると推察する兆候>水腫、慢性的な膝の不安定性、可動性低下
<半月板に原因があると推察する兆候>しゃがみ動作(姿勢)痛、関節内側・外側の痛み、膝の不安定性、階段昇降時痛、水腫
<滑膜ひだに原因があると推察する兆候>前部痛、屈曲痛、運動時の痛み軽減、膝の屈伸で異音(発砲音)
画像検査や血液検査などで疾患名や原因が特定できない場合、整形外科などの医師ばかりでなく、鍼灸治療やマッサージ治療の施術者はなおさら治療方針が立てづらくなります。
検査法はいろいろありますが、それでも判断に迷う事がよくあります。日頃から生じている徴候や症状の情報は大変重要になるので、施術を受ける前に確認しておくと、より効率的かつ効果的な治療の期待が高まると思います。
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