鍼やマッサージが国家資格だということはあまり知られていません。また、伝統的な東洋医学をウサン臭く思っている人も少なくありません。
そこで、過去の国家試験でどのような問題が出題されたことがあるかを一部紹介します。
今回のテーマは女性特有の月経痛や月経異常です。漢方薬をはじめ、鍼、マッサージ、灸による東洋医学的な治療は、副作用が比較的生じにくく、個々の体のバランスを整えるといった治療方針は女性に向いていると考えられています。
問)「23歳の女性。体操の選手で運動性無月経がみられる。東洋医学的所見では顔色は白く、肌につやが無い。舌は淡泊。脈は細。」本症例の病証で最も適切なのはどれか。(第25回 はり師・きゅう師国家試験)
答)血虚証(顔色が白く、脈細から推察します)
問)「38歳の女性。転職をきっかけに月経痛が憎悪した。仕事が忙しくなるとイライラして症状もひどくなる。鍼灸院で肝気鬱結と言われた。」最も現れやすい所見はどれか。(第23回 はり師・きゅう師国家試験)
答)梅核気(肝鬱の特徴)
問)23歳の女性。主訴は月経痛。下腹部の張ったような痛みで痛みで月経血に血塊がみられる。下腹部を押すと痛みが増強。舌診では淡白舌。舌苔剥離、脈診では弦脈を呈した。月経痛の痛み治療としてゲートコントロール理論に基づく鍼通電療法で適切な組み合わせはどれか。(第21回 はり師・きゅう師国家試験)
答)脾兪ー三焦兪(「はりきゅう理論:公益社団法人東洋療法学校協会編 P.57」によると、子宮を対象にした治療を考えた場合、デルマトームではT10~L1が該当すると考えます)
問)精と気血の失調に起因する生理不順の患者に治療を行う場合、最も適切な経穴はどれか。(第20回 はり師・きゅう師国家試験)
答)三陰交
問)23歳の女性。主訴は月経痛。下腹部の張ったような痛みで痛みで月経血に血塊がみられる。下腹部を押すと痛みが増強。舌診では淡白舌。舌苔剥離、脈診では弦脈を呈した。月経痛の痛み治療としてゲートコントロール理論に基づく鍼通電療法で適切な組み合わせはどれか。(第21回 はり師・きゅう師国家試験)
答)脾兪ー三焦兪(「はりきゅう理論:公益社団法人東洋療法学校協会編 P.57」によると、子宮を対象にした治療を考えた場合、デルマトームではT10~L1が該当すると考えます)
問)41歳の女性。主訴はめまいとドライアイ。仕事はコンピュータ作業が中心で、最近視力も低下している。一日の終わりには手足のしびれを感じることもある。舌質は淡。脈は虚。」最もみられやすい月経の不調はどれか。(第24回 はり師・きゅう師国家試験)
答)月経の遅れ(肝血虚の特徴があらわれており、肝血虚の症状には経遅がある)
問)57歳の女性。閉経は54歳。最近、顔のほてりと発汗が頻発し、耳鳴り、めまい、手足のほてり、腰部の重だるさ、肩こりを随発し受診した。ホルモン検査で異常が指摘された。舌質は暗紅、舌苔は少なくやや乾燥。脈は細数。小腹不仁が認められた。」患者の病証への治療方針で適切なのはどれか(第23回 はり師・きゅう師国家試験)
答)腎陰を補う(腹診から腎虚がうかがえる。手足のほてり、舌苔が少なく乾燥気味は腎陰虚がうかがえます)
ここでは詳細な解説は省略しますが、東洋医学はれっきとした学問であり治療原則や治療方針の考え方が存在することをご理解いただけたのではないでしょうか。
医師から原因不明と言われる症状などでお困りの方で、東洋医学的な治療を経験したことが無い人は、鍼やマッサージの治療を試してみることをおすすめします。
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