ヒートショックプロテイン(HSP)は体内でも生成されるタンパク質の一種で、ストレスを受けた細胞の修復・分解、紫外線によるダメージから肌を守るといった働きがあるという研究報告があります(*1. *2. *3)。
さらに、一部のヒートショックプロテイン(HSP)には、シミの原因になっているメラニンを減少させたり、シワを防ぐ働きがあるという研究報告(*2)もある、大変すぐれたタンパク質なのです。
「ヒートショック」という名前の由来は、熱を加えることによって増産されるため「熱の刺激=熱のストレス=ヒートショック」からきていると言われていますが(*3)、運動や食べ物でも増える事が確認されたという報告もあります(*4)。
鍼灸、マッサージ、美容鍼で期待される効果といえば「鎮痛・疼痛抑制」「血やリンパの循環促進」「細胞活性化」「免疫力向上」が代表的で、いずれもヒートショックプロテイン(特にHSP70)の作用に共通する事ばかりではないでしょうか。
単に温熱を与えれば増加すると言う訳ではなく、適正な温度と時間が研究によって見出されています。
肩こりや腰痛などで用いられる温熱治療の治療効果には、単に血管を拡張させて血行促進をはかるだけでなく、ヒートショックプロテイン(HSP)が増産されることによる疼痛抑制や損傷(細胞)回復の促進に関わっている可能性があるのではないかと唱える医師もいました。
当院の施術方針に「QOLの維持・向上」「美容と健康」があり超音波、遠赤外線、ホットパックなどの温熱施術を積極的に用いています。鍼灸やマッサージの治療にはエビデンスに欠くものが多いと言われる中で、温熱療法のように科学的に証明されているものは、なおさら積極的に活用すべきというのが筆者の考えにあるためです。
【関連リンク】
・美容鍼
・頭皮鍼
(参考サイト)
*1 大塚製薬ホールディングス 「睡眠リズムラボ」(https://www.otsuka.co.jp/suimin/hsp70.html)
*2 株式会社再春館製薬所「老化研究所」 (https://www.saishunkan.co.jp/labo/report/hsps02/index.html)
*3 株式会社ヤクルト 「ヘルシスト」 (https://www.yakult.co.jp/healthist/219/img/pdf/p20_23.pdf)
*4 一般社団法人 HSPプロジェクト研究所(https://www.youko-itoh-hsp.com/hspと運動の話/運動でもhspは増加します/)