カッピングには、マッサージに似た効果

 鍼やマッサージの一環として用いられる「カッピング療法」とは、ガラス製またはプラスチック製のカップを体に置いて、カップ内の空気を吸引する方法です。「吸角」「吸い玉」「抜罐」なんて呼ばれることもあります。

 

 期待できる効果には血液やリンパの循環促進や筋膜リリースなどと言われていますが、筆者が知るかぎり、決定的な治療効果を示す科学的根拠は乏しいです。しかし、セルフメンテはもちろんオリンピック選手などアスリートにも取り入れている人がいることはよく知られています。→ 外部リンク(Google検索ワード:「カッピング スポーツ選手」)

 

 カップ内気の吸引には熱を使う方法もありますが、吸引圧を計測できる機械式(自動・手動)を用いるのが治療行為としては理想だと筆者は考えます。

 

  カッピングをすると吸着させたあとが残りますが、概ね1週間もすれば消えます。ただ、短期間に集中的に、強い吸引を繰り返すと色素沈着を招く可能性が高まります(カッピング痕を喜んで、アピールしたがる人もいるそうです)。

 

 誰でも簡単に出来て、施術行為そのものに免許や資格が必要ないため、エステや安価なマッサージ店でも取り入れているところがあるようです。ただ、カッピングにもリスクがあるため、施術者はしっかりと理解していないと思わぬ事故を招いてしまいます。

 

 どのような人におすすめかというと、スポーツや重労働などの筋肉疲労、筋筋膜が原因と考えられる首・肩こり・腰痛などがあげられます。一方、どのような人は気をつけた方が良いかというと「循環器系の基礎疾患がある人」「血液系の基礎疾患」「糖尿病」「皮膚疾患(敏感肌も含む)」「ステロイド系の薬を使用中」などがあげられます。

 

 症状によっては、鍼やマッサージの治療時にカッピングを加えると、相乗効果が期待できます。

 

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