マッサージやあん摩、指圧における強めの刺激のことを、通称「強もみ」「強押し」なんて呼ぶ事があります。
強めや弱めといった刺激の度合いは、あくまでも施術を受ける患者さんの主観にすぎませんが、施術者側も患者さんの体格・体格・症状や状態といった経験を通して見立てをするものです。
マッサージの刺激量(程度)についてはさまざまな見解があります。
特に「強もみ・強押し」については、施術者によって肯定的に考える人とそうでない人が明確に分かれると思います。
結論からいうと答えはありません。答えを持っているとすれば、それは患者さんではないでしょうか。
強もみと強押しの副作用としては、いわゆる「揉み返し(もみかえし)」や「骨折」などがあります。さらに、揉み返しとは違う、肩こりや腰痛の悪化を訴える患者さんもいます。
しかし、強もみや強押しを肯定する施術者には「副作用は施術者の技術・知識・経験の不足が原因」と唱える人もいます。
ここでひとつご紹介したいのが、刺激の強度変化と期待する生体反応について述べられた「アルントシュルツの刺激の法則」なるものがあるということです。これは、マッサージ師であれば誰でも一度は聞いたことがあるでしょう。筆者も理論的な説明を希望する患者さんに引用することがあります。
患者さんが納得する施術を行うことが理想である一方、期待とは真逆(主に悪化させることの意)の結果を招くのは、治療行為としては絶対に避けたいと考えるのは施術者としては当然でしょう。
一方で、「もみほぐし」などのリラクゼーション業は治療ではないので、理屈では割り切れない、お客さんの要望に最大限応える必要があるところに難しさがあります。
ベテランの施術者によっては「良くも悪くもさせない施術の事を『毒にも薬にもならない』中途半端な施術」と言う人もいますが、筆者は症状を悪化させてしまう「毒」は問題だと考えています。
強刺激は、それが適当な部位や症状で患者さんの反応を確認しながら使い分けるのが理想だと筆者は考えます。
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