腰やおしりから足にかけて不調を訴える患者さんを施術する際、神経性の原因の有無を推察することが大切だと筆者は考えます。
それは、マッサージあるいは鍼のいずれかで施術するにしても相違はなく、症状によっては医師の診察を促す場合すらあります。
神経性の障害が疑われる場合、マッサージや鍼の施術を受けようとされる患者さんの多くは、概ね神経根または神経走行上の障害を疑う症状のケースが多いのではないでしょうか。神経根とは簡単にいうと神経が椎間孔を通過して脊柱管の外に出る部分のことで、どの脊椎のレベル(位置)から出ている神経根が障害を受けている可能性があるか推察する検査法がいくつかあります。
その検査では主に「運動」「反射」「知覚」の観点でチェックをして「あたり」をつけます。
たとえば・・・
腸腰筋(T12, L1~3)、大腿四頭筋(L2~4 大腿神経根)、前脛骨筋(L4~5:深腓骨神経)、長母趾伸筋(L5, S1:深腓骨神経)、中殿筋(L5, S1 上殿神経)、長・短腓骨筋(L5, S1:浅腓骨神経)などが一例になります。
各々の障害を疑うために座位で太ももの挙上、膝の屈伸、足首や足の指を屈伸させて抵抗を加えたりなどして筋力を評価したり、腱を叩いて反射をみたり、筆などで皮膚をなぞって感覚の有無をチェックするなどをします。
特にマッサージをする場合、神経根以外の筋肉・筋膜・靭帯・関節などの原因を考察したうえで施術部位や圧のかけかたを調整しなくては期待する効果が得られにくかったりするものです。
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