肩関節痛で鍼やマッサージの治療を受ける患者さんの代表的な症候のひとつに五十肩(肩関節周囲炎)があげられます。原因や症状の進行過程によっては、安静にしているだけでも痛む時期があります。時間の経過とともに痛みもおさまってくるとされていますが、一部の人の中には肩関節の可動域が狭まったままになってしまう場合もあります。
また、比較的若年層で五十肩(肩関節周囲炎)の定義には該当しないものの、肩の痛みを放置していたために可動域が狭くなってしまうケースもみられます。
治療方法としては温熱療法や運動療法がありますが、器質的な原因が明確で手術が選択肢にあがる場合もあります。
五十肩(肩関節周囲炎)は、マッサージや鍼の代表的な適応症状としても知られていて、治療対象のツボ(経穴)も症状にあわせていくつかあります。
【代表的なツボ】
肩髎:三角筋(腋窩神経)
肩髃:三角筋(腋窩神経)
秉風:僧帽筋(副神経、頸神経)、棘上筋(肩甲上神経)
巨骨:僧帽筋(副神経、頸神経)、棘上筋(肩甲上神経)
臂臑:三角筋(腋窩神経)、上腕二頭筋(筋皮神経)
肩貞:小円筋(腋窩神経)、大円筋(肩甲下神経)
天宗:棘下筋(肩甲上神経)
※その他、解剖学的には大結節(棘上筋、棘下筋、小円筋:腋窩神経、肩甲上神経)、結節間溝(上腕二頭筋長頭:筋皮神経)
ツボの位置は概ね自分でも押せる場所に存在します。
なお、神経の感覚閾値を下げたり炎症抑制を目的にした治療方針の観点では、腕神経叢をめがける方法もありますが、マッサージでは難しいので鍼治療になります。
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