東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の、女性蔑視とも受け取れる問題発言と謝罪会見での所作が波紋を広げ、SNSには若者を中心に「辞任を求める署名」活動までが広がっているそうです。
一部には「マスコミも世間も、今は新型コロナウイルスの情報に集中すべき」と訴える人がいるようですが、筆者としては、こういった「優等生」のふるまいや空気感が、これまでの同氏が過去にもやらかした「失言問題」の根本解決を先送りにしてきたのではないかと感じています。
筆者は、森氏が謝罪会見で発言した「老害」という言葉も気にかかりました。
とらえ方によっては、これはこれで失礼な言葉のような気がしますが、単語の意味を調べてみると筆者自身も解釈が微妙に間違っていたことに気づきました。
筆者が調べた中で、分かりやすく紹介していると感じたのは、日経ビジネスのウエブサイトに掲載されていた「老害とは|過去記事からたどる、ビジネスの現場で起きている問題(https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00081/112800007/)」という見出しの記事でした。
森喜朗氏を擁護するわけではありませんが、森氏のキャリア(功績)はすれなりにあるわけで、森氏のおかげでいい思いをしている政府関係者やJOC関係者としては、森氏を「老害」として扱えるわけがないどころか、自身の保身や既得権益を守るためには、森氏を守る必要があると考えるのは当然でしょう。
森氏はそれを理解したうえで、あえて「老害」「粗大ゴミ」といったセンセーショナルな言葉を使ったのではないでしょうか。
暗に「自分が世話した奴が、自分のことをゴミ扱いに出来るものならやってみな!」という狙いがあるのではないかとすら勘ぐってしまいます。
ただ、こういった風潮は、とらえ方によっては一種の「生き残る術」でもあり、日本や日本人に限らずどこの国にもあるのではないでしょうか。