菅義偉首相への取材で見せた「イラ立ち」の様子を、複数のメディアが取り上げてバッシングしています。
筆者は、菅首相はおろか自民党の支持者でもないが「感情をあらわにする」だけを非難するのは如何かと思います。
ただ、今般 菅首相がバッシングを受ける背景に、菅首相の息子が勤める放送局による総務省への「高額接待問題」が一因にあるだろうことは容易に推察できます。その観点では、筆者も擁護する気になりません。
日本では感情を抑えることを過剰なまでに美徳にしている気がします。
しかし、人間は「感情の生き物」と言われる通り、「怒・喜・思・悲・憂・驚・恐」といった感情を抱くのは自然なことです。
コロナ禍において諸外国の長が国民に対してメッセージを送る時に感情をあらわにする場面がみられます。
昨年、ドイツのメルケル首相が議場で行動自粛とコロナウイルスの危険性について感情をあらわにして訴える姿は日本国内においても「国民の心に響くメッセージ」だと称賛されました。
菅首相をはじめ日本の政治家が感情をあらわにするシーンは、とかく「テンパってる時」「何か疑惑が浮上している時」だったりするので、擁護されることが少ないのではないでしょうか。
理念であったり道理に合った内容であれば、誰も非難することはないでしょう。
そういった点では、内容の是非は別にして、田中角栄氏や小泉純一郎氏は訴え方や国民に訴えるための術としての感情表現は上手だったなあと思います。
医療従事者の筆者としては、心身の健康を第一に考えるので、感情を抑えすぎるのは決していい事ではないと考えています。
怒る時には怒る、苛立ちをあらわにする・・・人間なんだからある程度はしょうがないでしょう。