プロ野球、ソフトバンクの松本裕樹投手、鍼施術で折鍼

ネタ元(外部リンク) → 『ハリが体内に埋没した松本裕樹に藤本博史監督「1週、2週遅れじゃないか」(2022年3月23日)|BIGLOBEニュース 』

 

==当院の見解==

 ネットに掲載されているほとんどの記事が、それを読むだけだと、あたかも鍼治療のすべてが危険であるかのように解釈してしまいかねないのが残念です。

 

 結論から言いますと、3月23日19時現在 どのような施術方法を行い、鍼のどの部分がどのように折れたのかといった詳細が不明なので、当件に関して憶測で意見を述べるべきではないと思いますが、すべての鍼師が「折鍼リスク」というものを常に念頭に入れて施術していると思います。

 

 当院における折鍼リスクへの備えの一部をご案内します。

 

①使用する鍼はすべてディスポーザブル(使い捨て)です。

 

②鍼通電(鍼に低周波治療器を接続する術式)をする場合、直径0.2mm(3番)以上の鍼を使用するとともに、皮下に鍼の長さの2/3以上刺入しません。さらに、鍼に電気を通すことを「適応」としているメーカーの鍼種だけを使用しています。

 

③鍼通電で用いる低周波治療器には安全機能(通称「クーロンストップ」など)が備わっており、「折鍼リスク」が高まるとされる通電量(1クーロン)に達すると、自動的に通電が切れる仕組みになっています。

 

③運動鍼(鍼を刺した状態で意図的に筋肉を動かす療法)をする場合、特定の症状と部位にしか行わず、鍼は鍼体長1.5㎝~5㎝で直径0.2mm(3番)以上のものを使用するとともに、皮下に鍼の長さの2/3以上刺入しません。そして、痛みを耐えさせるような過度な筋伸縮を伴う反復運動は行っていません。

 

④万が一、折鍼が生じてしまった場合、皮下に埋没させないように止血鉗子を常備しています。

 

※鍼通電における鍼の太さ「0.2mm(3番)以上」の根拠は「公益社団法人 全日本鍼灸学会が編集する「鍼灸安全対策ガイドライン 2020年版」で推奨されている太さであるとともに、鍼通電器のメーカーが推奨する太さでもあります。

 

「100%安全な治療」を目指し、「ノーリスク」を肝に銘じていますが、「リスクゼロ」をお約束できないのも事実であることは、インフォームドコンセントと同意書でもご案内しています。